後遺症の公的相談機関

後遺症は、交通事故だけではなく、あらゆる事態に於いて発生します。ここでは自動車事故の後遺症に関して助言や相談について考えるものです。

交通事故に遭遇して、かすり傷程度の怪我をし、何ともないから大丈夫と思って、物損事故として処理した後、首筋に痛みを感じるようになった時、一旦物損事故で処理したものを覆すためには被害者単独で処理することは大変難しいと思います。警察も物損事故なら簡単に処理できますが、人身事故となると刑事事件として扱わなくてはならないから面倒なのです。

先ず最初に医師の診察を受け、後遺障害診断書もしくは一般の診断書を作成してもらい、警察に届出します。警察は、これを受理して人身事故扱いに変更してくれます。自己との因果関係が求められますから、できるだけ早め(10日程度)にすることです。警察が受理しない場合は、加害者側の任意保険会社に人身事故証明入手不能理由書を提出することにより人身事故扱いとなります。この書類は、任意保険会社で貰う事が可能です。また、警察が受理してくれれば、交通事故証明書が発行され、後は順調に捗ると思います。

交通事故による後遺症の等級取得は弁護士に相談することも可能です。交通事故直後に症状がでないからといって油断せず、慎重に対応を進めていくことをおすすめいたします。

自動車事故の後遺症

交通事故で人身が絡むと、病院に連れて行くことは当たり前の事ですが、もし無保険車両だとしたら、救急車や警察の出動要請をしてくれるでしょうか。後遺症があったらどうなるのでしょうか。

自動車損害賠償保障法施行(1955年、昭和30年)に伴い開始された対人保険制度で、被害者を救済するための補償を目的としたものです。従って、交通事故において被害者に過失があっても原則として無過失責任主義に基づいて、一定の割合(70%)までは過失相殺による減額はされず、損害に対する保険金は100%支払われることになります。

ただし、一定の割合以上になる場合は重過失減額とする規定になっています。重過失減額には、20%から50%の範囲があり、被害者が一方的に悪ければ、100%減額ということもあるのです。車両の運転手側に大きな責任があることには変わりはありません。自動車や二輪軽自動車、原動機付自転車は、必ず自動車損害賠償責任保険に加入する必要があります。

無保険車両が原因で被害者が発生した場合は、自動車損害賠償責任保険から支払われることはありませんので、国の自動車損害賠償保障事業により、後遺症に対する賠償責任を自動車損害賠償責任保険と同じ料率で被害者に立替弁済されることになるのです。無保険車両を運転していたものには、刑事罰が科せられます。

後遺症と国の政策

後遺症は、症状固定後に残ってしまった回復が見込めない状態を言います。自動車による交通事故や労働災害によって引き起こされた後遺症に対して、国が個人を救済することを目的として法律を制定したものです。

車両に対しては、自動車損害賠償責任保険に加入することを義務付け、企業に対しては、労働者災害補償保険に加入することを義務付けました。後遺症の障害認定等級は、いずれも1級から14級までとなっていて、自動車損害賠償責任保険の場合は、介護を要すると認められれば別途2種類の基準があります。そして、労働者災害補償保険の場合は、1級から7級までは年金給付となり、8級以降は一時金給付となっているのです。幾ら義務付けても、これらの保険に加入していないことも想定されますので、この様な場合は、刑罰を与える仕組みにもなっています。

しかし、これでは被害者救済ができませんので、政府保障事業として補完する国の事業である正式名称:「自動車損害賠償保障事業」があるのです。加害者が明白でないか無保険状態で運転していた等の場合は、被害者に対して何の補償もできなくなってしまうため、国は自動車損害賠償保障法に基づいて自動車損害賠償責任保険同等の金額を被害者に補償します。

無保険自動車の被害に遭われた時は、国が補償をしますが、これは加害者の支払い額を国が立て替えたことになるのです。未だに約500億円分の立替金が弁済されていない状況で、一般国民に迷惑をかけているとしか言いようはありません。